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世界都市フォーラムで驚きを与えた市長
ボゴタのエンリケ・ペニャロサの幸せな「自動車との戦争」
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バンクーバー エンリケ・ペニャロサ氏 世界都市フォーラム第三日目の基調講演

http://www.unhabitat.org/content.asp?cid=3303&catid=5&typeid=6&subMenuId=0

バンクーバー
2006年6月22日
木曜日に行われた世界都市フォーラム第三日目の基調講演でコロンビアの前ボゴタ市長エンリケ・ペニャロサ氏に全員が拍手喝采を送った。「都市は大金をかけずとも、ピーク時間帯の自動車使用を制限あるいは禁止まで行える」と話した時だった。


ペニャロサ氏は、現在、ニューヨーク大学の客員教授を務めている。彼は、国連ミレニアムキャンペーン、コーディネーション担当役員(Executive Coordinator)、エベリン・ハーフケンス女史(Evelyn Herfkens)から、「急速に都市化している世界の都市が直面している問題について議論するセッションを活性化したいのです」と講演を依頼された。


ペニャロサ氏は満員のコンベンションホールで警告を発した。「幻想ではありません。世界の都市人口が来たる30年で20億人を超える勢いで増加していると調査が示しています。毎週、バンクーバーの人口に相当する人数が増えているということです。」


さらにペニャロサ氏は付け加えた。200年後、世界は、新しいミレニアムの幕開けとなった2000年代を振り返り、「私たちの都市のあの時代は危険な場所だった」と、(現代でも時々ロンドンがそう言われるように)評価を下すことだろう。「未来の人類は、今現在のこの時代を振り返り、たとえば、こんなふうに位置づけることでしょう。『幾万もの子どもたちが自動車によって殺された、恐怖に怯えていた時代だった』と。」


ペニャロサ氏は語った。世界は人類の幸福のためになる都市環境を創造しなければならない。開発途上国が、今後20年、30年、あるいは40年経って、より富める国々に追いつけないとしても。富める人々は休日にはいつでも自分の住む都市を抜け出しエンジョイすることができる。自然に親しみ、自分を取り巻く環境から、別の環境に移動することができる。一方、貧乏な人々は自分の街を抜け出して別の環境に移動することさえ、通常は、なしえない状況にある。このことから、都市では、公園や自転車道やよりよい公共交通を提供し、自動車利用を最低限に抑え、自然に近い環境を都市内に保つことが重要となるのである。つまり、都市とは公益が私益よりも優先する場所であるということ。ペニャロサ氏曰く、もしピーク時間帯に自動車が禁止されても、ボゴタの経験からすれば、ほとんどの人がこれをよしとするはず。ペニャロサ氏は自動車制限に対してボゴタがどのくらい支持したか、どれほど新たな自転車レーンが市内全域に建設されたか、高速バストランジットシステムが敷設されたかを説明した。こういった施策によって市のかなりの資産が自由に使えるようになった。こういった施策が、より大きな変化につながる、よりエコで健康的な生活スタイルにつながる、最初の小さな一歩となった。


モデレーターが時間が迫ってきましたと告げ、ペニャロサ氏がもう数分、時間をくださいと頼むと、聴衆は立ち上がり、喝采を送った。ペニャロサ氏は、彼が父親と共に参加したバンクーバー1976のように、このバンクーバー2006も広く知られることを望みたい、と語った。彼の(彼と同名の)父親エンリケ・ペニャロサは第一回ハビタットの事務局長だった。バンクーバー1976は彼にインスパイアを与えていた。のちボゴタで過ごした年月で彼が出した多くのアイデアは、バンクーバー1976コンファレンス期間中に得たものだった。


カナダプランナーズ協会の理事長でモデレーターをしていたクリス・リーチ氏は、前週にバンクーバーですでに行われていた世界都市計画家大会(World Planners Congress)の会議で17の(先進国と日本でいわれる)開発済みの国と(開発途上国と日本で言われる)開発中の国、いずれの側の加盟国もが、宣言に調印したことを発表した。これは、急速な都市化の問題、都市化による貧困の問題、気候変動と自然災害の問題、に立ち向かうために新たに組織される世界都市計画家ネットワーク(Global Planners Network)の地ならしとなるものだった。(カナダプランナーズ協会 Canadian Institute of Planners (CIP) http://www.cip-icu.ca/)


クリス・リーチ氏は加えて、カナダプランナーズ協会が世界中のパートナーと協同でおこなった成功事例の経験を活かしていくことを約束した。世界中の都市計画家たちが人類の生活環境維持のために行動を起こすことを約束した。


ハーフケンス女史バトンタッチする際に、クリス・リーチ氏は次のように語った。「世界の人々がよりよい生活水準を謳歌できるよう、そして、次の世代が希望と機会を持つことができるよう、世界の都市計画家たちは、新たなエネルギーを蓄えて、ここに約束(コミットメント)をして、そして献身的に貢献します。」


ことあるたびに「貧しさそのものが最大の汚染元である」と言ってきたUNEP前役員のクラウス・トプファー(Klaus Toepfer)に対して、ハーフケンス女史が賛意を示した。「そのために「貧困削減をめざす継続的な経済成長(pro-poor sustainable growth)」が必要となります。これは、貧しい人も都市計画に参画する必要があること、そして、貧しい人が認められた存在となり、丁寧に扱われることが必要であることを示しているのです。貧しさを「クライアントターゲット(私たちがおこなう施策の対象)」としてだけみるのは間違いです。このビジョンは世界のリーダー達のミレニアム宣言の署名としてMillennium Development Goalsの8つにいまや織り込まれました。」 (ちゃま:貧しい人も施策をおこなう側として参画し、市民として自らの生活を向上させるために行動するように、仲間として見なければいけないということでしょう。)


彼女は国連ハビタット(UN-HABITAT)とフォーラムが協同で発行した真新しいブローシャーを掲げて見せた。これは富める国も貧しい国も、富める政府も貧しい政府も、富める市も貧しい市も、それぞれの都市計画方針に盛り込めるようになっている。これをぜひ使ってくださいと彼女がいった。彼女はフォーラムで学ぶことが楽しいと語った。例えば、ジェラルド・トランブレイ モントリオール市長が個人的に目標を世間に広めるキャンペーンを引き受けてくれたこと。「目標への投資はあなた方自身の将来への投資です。私たちは貧困を撲滅するための道具と知識を得た最初の世代となりました。」拍手の響き渡る中、彼女が最後に加えた。「私たちのリーダーが受話器を上げたままにするようなことがないように(見はりましょう)」

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