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2009年5月18日-31日
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業界基本情報:連邦破産法第11条

ゼネラルモーターズが破綻したという報道がされています。たぶん、以下、かなりいい加減なことを書いていますが、アメリカの自転車会社でもよくでてくるチャプターイレブンについてちょうどいい機会なので、触れておきたいなと思います。

ここで興味あるのが、アメリカの会社が連邦破産法第11条申請してどうなるのかということです。

普通に聞くと、GMをアメリカ政府が助けるということで、窮地に陥ったGMという会社がアメリカ政府の援助によって復活すると思ってしまいますが、細かいところを見ると、そうではないのです。また、アメリカ政府でなくとも、別の会社でも、別の資産家であっても、以下の話は同じです。ただ、アメリカ政府がやるので国有化といわれるだけです。もっとも、日本では国有化といいますが、アメリカではgoverment政府といっています。政府所有になるということです。民主国家では国は国民のもので、国有化だと国民が持つようにも思えますが、たぶんそうじゃなくて国が天皇の時代の時にできた言葉がそのまま使われてしまっているような気がします。だから、国有化と聞いて、国民みんなが持っているとは思わないですよね。それとはちがって、政府が所有するといえば所有者、責任者が明確です。国という概念を政府と同一視するとしないではかなりちがいます。 「国」って「日本国政府を指す法律用語」だそうです。わかりづらいですよね。行政用語、行政法律界の業界用語ということです。このあいだ、子どもが、学校の音楽の授業が2学期から少なくなったのは「学校じゃなくて国でいわれた」といっていて、聞いてみると、「先生がいっていた」ということでした。先生も学校内で「国の方針です」とか説明受けているんでしょうね。そのまま子どもに使ってしまうのは、先生も「国」ということばが、使う文脈によって、その意味が違っていることを理解していないようです。学校教育だけで育てられてくると、それが日本国の行政の意識の中で世界観が培われてしまうということですね。


いま窮地に陥っているGMという会社とは別の会社Xが設立されて、いま窮地に陥っているGMの資産の一部を、そのX社が、オークションで買い上げるのです。

たとえば、GMの今後も使う工場などです。今回は、アメリカ連邦政府のお金は新会社のほうに使われるので、このオークションで、窮地に陥っているGMから、こういった優良資産を買い上げるためにも使われるわけです。

それでX社は、実質上、窮地に陥っているGMという会社と同じような価値を生み出せるようになります。

その際、優良資産だけX社が買い上げれば、X社は、窮地に陥っているGMという会社のいい部分だけで、再スタートできます。テレビで新GMといわれている部分はこの法的にはまったく新しい別の会社のことです。

別の会社なので、古い会社のお客さんの面倒を見る義務は法的にはありません。たとえば、昔の製品が壊れたからといってサービスしてあげる必要はまったくありません。でも、そうすると、お客さんから文句がでるでしょうから、実際は、新会社で引き続きみることでしょうが、どのレベルでやるのかは、法的義務がないだけに、お客さんが困らない程度で、まったく新会社の自主的な判断です。

一方、窮地に陥っているGMという会社には、そうして、負の遺産だけが残ります。これを、最終的には売却するなどして整理して、最終的には窮地に陥っているGMという会社が終了します。

ということで、窮地に陥っているGMという会社の一生が終わります。

一般的にはどうなのか知りませんが、もし、X社の名前が最初は、Goverment Motorsだったとしても、窮地に陥っているGMという会社が終了した後にでも、General Motorsに社名変更すれば、りっぱなGMになり代われます。

最初から、General Motors (Wasington D.C.) という名前で新たに登記をするなら、(できるかどうか知りませんが)、最初から、似たような名前で出発できます。

何をいっているかというと、このように、会社としては別会社が、さも、以前から継続しているように見えるようなことが公的にできるのです。もしかしたら連邦破産法第11条でなくとも、できるでしょうけれど、悪い部分を切り捨ててできるという点が第11条チャプターイレブンのメリットです。

ちなみに、ちゃまはまったくこのブログで調べた知識のみでいっていますので、法的な意味で正しいかどうかは、まったく責任もてないのですが、由緒あるブランドが、連邦破産法第11条(チャプターイレブン)を使って、生きながらえてきた具体的な過程を知るに及んで、得た知識です。

まず、間違って読み取ってしまうのですが、実は破産の申請ではなくて、破産法第11条(チャプターイレブン)の申請だということです。

具体的には・・・
古い困ったマイナスの財務部分をけしてしまうために、会社をなくしてしまうのです。
残っているいい部分を別立てにして、別の会社に持っていって、心機一転やりなおしできるのです。

どちらかというと、マイナスの財務部分にあたる、お付き合いしていた会社の未払い部分などにしわ寄せがくるのです。そういった泣いてもらう人が本当に困る人たちです。ゼネラルモーターズの場合、これが日本の部品メーカー102社などの関係者になるわけです。

ということは、ゼネラルモーターズ本体にとっては、この方がいいわけですね。悪い部分は圧縮できてしまうのです。

今回、旧経営陣の人たちは辞めるという条件のようですが、ちゃまの知ったチャプターイレブンでは、旧経営陣も全責任はとらずに、新会社に移る人もいたりするし、テクニカルという形式的な申請で使われる場合もあるよう(例:ダービーサイクルがラレーサイクルになったとき)です。公的な手続きに則って、会社を新しい経営者に引き渡すことができて、後々の株主などからの法的な訴訟などが起こされるよりもということで事前対策になるそうです。そう言う場合は最初から前経営者の責任は関係ない。そういう利用法も普通にあるチャプターイレブンです。

日本的な真っ暗な倒産のイメージとはかなりちがいます。

中国の国策自転車メーカーのフライングピジョンは、市場経済が導入された後に窮地に陥って、おなじようなことを1999年にやっています。

1999年、新「飛鴿」設立。旧「飛鴿」にブランド使用料を支払って完成車の生産を行なう。旧に労働者や負債はそのまま。


ところで、この優良資産売却で、資産のなかの、ブランド名だけが買われたり、しかもそのブランド名も、分野ごとに別の会社が買ったりすると、いままでの生産設備が使われず、別の会社の製品にブランド名だけがちょこんとのって使われるようになって、ブランド神話だけが語られるようになったりするのでしょう。

たとえば、今のSchwinnシュウインは、自転車関連と、フィットネス関連はそれぞれ別の会社が別のブランド資産として保有しているSchwinnブランドです。自転車のSchwinnブランドとフィットネスのSchwinnブランドはすでに別物というわけです。今後も別に売り買いされることでしょう。もっと刻まれるかもしれませんたとえば、BMXとMTBは別会社とか。たとえばですが。それから、買い戻されればまた一緒になります。ベルスポーツなんかはオートバイ用ヘルメットは売ったり買い戻したりして、わかりづらいのは、買い戻したものだけど、今度はライセンスしかしていない。他社に使わせて自分のところでは使っていなかったりします。

アメリカではないですが、ダンロップは、同じロゴでもそれぞれ違った分野でいろいろな会社がそれぞれ保有しているブランド名なのですね。ゴルフとタイヤとあれとこれは全部別の会社のものなのだとか。ゴルフは、ダンロップスラセンジャーという会社がもっているとか。今のラレーの会長さんアラン・フィンデンクロフツさんがダービー社社長になる前に社長をしていた会社です。ひとつのブランド名はひとつの会社が持っているものと思ってしまうのは誤解の元ですね。消費者はうまくだまされてしまいます。

最後に、「破綻」というイメージばかりが強調されて報道されていますが、影で悪い部分が膨らみつつある日本の国債のようなものでいいのか、それとも、洗いざらいだして、あたらしくやるのがいいのか。後者が選択できるのは幸せですね。ほんとうの「破綻」というのは、日本の国債発行のほうをいうのじゃないでしょうか。今回のGMやクライスラーなどは、破綻というのはあっていませんね。日本の報道のヘッドラインをみると誤認しかねません。日本なら、責任者が追及されて自殺者まで出しかねませんが、株式会社は出資した分だけの有限責任ですし、経営者は株主から依頼されて舵をとっていたというだけの立場です。実際の企業経営にかかわってきた人もそれぞれが優先順位にもとづいての痛みわけということになります。やり直すためにはどうしたらいいのかというのが仕組みとしてできているということですね。実際は、企業の再生です。企業としてのやり直しであって、人々がゼロから人生をやり直しをする必要はないのですね。日本ではあのキャデラックが・・・と精神的な部分を強調してしまっているようですが、企業経営の技術論で捕らえるべき事柄なのだと思います。実際、アメリカで株価全体があがっているそうです。

チャプター11申請でも、別会社を設立して、良いものだけを移すということをするわけではないようです。既存会社がリストラを行う際のポラロイドの例(2008年12月)の話が、当事者の関連会社の日本ポラロイドのプレスリリースで解説されています。

ちゃまがいいたいことを的確に表現されている専門家のご意見を見つけました。
「チャプター・イレブン」申請により、GMが短期間で再起する可能性大! (広瀬隆雄さん、(投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLC代表)) Diamond Onlineです。こちらをご覧ください。キーセンテンスは「倒産はいったん、それらの権利関係を振り落とすための方便なのです。」です。


「チャプター・イレブンを連発する米IT企業 ITバブルの後始末も本番に」
毎日新聞社の磯和春美さんの2001年10月の記事では

 ただ、日本で一般に受け止められている連邦破産法11条、いわゆる「チャプター・イレブン」の申請が、イコール「破産」「倒産」という見方は正しくない。チャプター・イレブンとは、米国における会社経営再建のための法的手続きの1つで、現在の事業経営を継続することを前提としている。日本でいう「破産」「倒産」に相当する手続きは、米では連邦破産法第7条、いわゆるチャプター・セブンのほうである。

だそうです。




追記:7月11日

別会社X(新GM)
「NGMCO, Inc.」→「General Motors Company LLC (General Motors Co.)」

米財務省の出資による新会社NGMCO, Inc.。これがニューGMです。
資産が売却された後、NGMCO, Inc.がGeneral Motors Company (General Motors Co.)と社名変更
と事前にいわれていましたが、これが米国時間7月10日に行われたということで、この日の報道で「The New General Motors Company Launches Today」といわれています。

ニューGMの普通株式の保有率。
・米財務省:60.8%
・UAW退職者向け医療保険基金:17.5%
・カナダ政府・オンタリオ州政府:11.7%
・旧GM:10%
旧GMとUAW退職者向け医療保険基金はそれぞれ、ニューGM株式の15%と2.5%のワラントを取得

旧GM
「General Motors Corporation」から「Motors Liquidation Company」に変更して清算へ。

ニューGMは米財務省:60.8%で、「事実上の国有化」といわれています。日本の報道でも「事実上の国有化」といっています。さて、ここで不思議に思うのは、日本郵政です。現在まだ100%日本国政府が株保有しています。でも、「まだ国有化されている日本郵政」とはほとんどききません。「民営化された日本郵政だから・・・・」という枕詞で語られています。不思議でしょう?

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