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安全性ガイド 世界的な保険会社 ドイツのアリアンツがおこなった評価 1996年

2008年の現在からみて12年も前のものです。自転車リヤカーの安全性について専門機関が検証した最初のものではと思います。その後におこなわれたさまざまな検証がまずこの検証について触れていました。ここでの検証では子供シートと対比されています。子供シートはすべて子供が飛び出してしまっているようなので現在のようなシートベルトは装備されていないように思えます。このあたりの検証から対応されるようになったのかなと想像します。この時点でも自転車リヤカーの安全性は高く評価されていたのですね。

自転車で子供を安全に運ぶためにはどのようなものがあるのかということが、どうして、いままで、広く日本に紹介されてこなかったのかと、また思ってしまいました。自転車を交通手段として認めていて、しかも子供を載せてもいいとしている国なのですから、それがより安全にできるのであれば、そのことを広く世の中に知らせることは重要だとおもいます。このようなレポートを紹介しないということは、自転車のことや子供のことを真剣に考えていないのではと思ってしまいます。数ヶ月で作られてたった今世の中に出てきたものよりも、世界中のたくさんのメーカーが工夫を重ねて何年も何年も実際に使われて揉まれて育ってきた道具にこそ信頼性があると思うのは私一人ではないと思います。

車道は怖くて自転車で走行できないと思っているひとが多数います。これは異常なことです。でもそう思わされていないところがさらに異常です。だれがそう思わせているのでしょう?市街地で歩行者や自転車がいる場所での自動車の走り方に対して法が当初より想定しているあるべき姿の教育をおこなうことが最初にやることだと思います。自転車のマナーや歩行者のマナーなど、それに比べれば順番はもっと後です。車道を自転車が安心して走れるようにすることが、ずっと昔から法が想定していたことであって、それが現実的に自転車と歩行者を救う道だと思います。行政はきまっていることをやればいいだけです。


最初にアリアンツのWebサイトに掲載されている検証を紹介していますが本物はリンク先にあります。正確には原文をご覧ください。ここの訳はご参考までに。(こちら
その下に、アリアンツの別のページにある、自転車(シート、リヤカー)だけでなく自動車も含めた子供用ダミーを使った衝突実験の画像ページへのリンクがあります。(こちら
次に、米国が本拠のバーリー社のドイツの部門ドイツバーリーが積極的にアリアンツの検証を紹介しています。(こちら
最後に、イギリスでインラインスケートのサイトをやっていてサイクリングも好きで自転車リヤカーも気に入っている人のアリアンツの検証を紹介している文を紹介しています。(こちら

原文へのリンク
アリアンツ保険
AZT

(ドイツ語)


Kindertransport mit dem Fahrrad
- Im Spezial-Anhänger am sichersten

子供を自転車で運ぶ
 ~ 専用リヤカーで安全に


Crash -Versuche des Allianz Zentrums für Technik - Passive Sicherheit ist zu verbessern.
”アリアンツツェントルムス フューア テクニーク”での衝突テスト ~ 衝突安全性の向上をめざして

(Allianz Zentrums für Technik アリアンツ技術センター:AZT)

Allianz Versicherungs-AG(アリアンツフェアズィッヒェルングアーゲー)
アリアンツ保険 - 会社
1996年3月21日 ミュンヘン

子供を自転車で運ぶことは専用の自転車リヤカーであれば最も安全です。しかし、衝突安全性をさらに向上させる必要があります。自転車の荷台に取り付けた子供シートでは事故の際の安全性はかなり低くなります。子供を自転車のフレーム部分(ちゃま注:ハンドルとサドルの間)に乗せることも、安全面を考慮すればやめることを強くお勧めします。これはAZTがおこなった27種の比較衝突テストでの結論です。うち3種は典型的な事故状況を再現したもので、自動車が道を反れて衝突してくるケース、自動車の開いたドアに衝突するケース、自動車側面へ衝突するケースです。工学博士でアリアンツ技術センター(AZT)CEOのディーターアンゼルムは、この結果から、自転車リヤカー(ファールラートアンヘンガー)を人を運ぶ手段(Personentransportmittel=人員輸送手段)と明確に位置づけてその等級区分に関して法的な裏づけをつくること、また、その設計に対する技術的な指針をつくること、これらを育成の方向でいまやまさにおこなうべき時期である、と提言しました。


Fahrrad_a子供が負うもっともひどいケガは、ハンドルと漕ぎ手の間に取り付けた子供シートに乗っている時に、不用意に開けられた自動車のドアに衝突した場合です。

Foto: Allianz Versicherungs-AG
(写真:アリアンツ保険会社)

Fahrrad_bFoto: Allianz Versicherungs-AG
(写真:アリアンツ保険会社)

AZTのテストはダミーと呼ばれる実験用人形でおこないました。その結果は、シートに座った『(ダミー人形の)子供』は、ハンドル上への取付でも、荷台への取付でも、衝突テストのすべてで、衝突によってひどい怪我を負い、次いで地面にたたきつけられることでさらに怪我の程度が増しました。一方で、自転車リヤカーに乗せたダミーは傷一つありませんでした。事故にあったリヤカーは開けられた自動車のドアに触れることもなく、また、車道をそれた自動車との衝突のエネルギーはほとんど影響を及ぼさず、しかも、側面衝突において時速20キロで走行している乗用車を自転車に衝突させたケースでは、驚くことに、リヤカーがひっくり返ることはありませんでした。
Fahrrad_c自転車とリヤカーが乗用車の側面に衝突した際に、構造がしっかりした自転車リヤカーに乗っていた子供はほとんど傷つきませんでした。

Foto: Allianz Versicherungs-AG
(写真:アリアンツ保険会社)

Fahrrad_d自転車とリヤカーの側面から乗用車が衝突してきて巻き込まれるケースでは、リヤカーが転覆し子供が怪我を負う結果となるか、もしくは、リヤカーは追突されても押されるだけで(転覆はせず)座っている赤ちゃん〔kleinen In-sassen〕は多かれ少なかれ恐怖から逃れることができるのかは、乗っているリヤカーの作りの質に依存します。

Foto: Allianz Versicherungs-AG
(写真:アリアンツ保険会社)

アリアンツで事故研究者であるアンゼルムは(CEOのことをここではこういっています)自転車乗車中の事故で漕ぎ手と子供が被害をこうむるのは体の最も弱い部分である頭であるという点を強調しています。自転車リヤカーとは異なり子供シートでは子供の保護機能がほとんど提供されていません。特に重要な点は、それが大人であっても、自転車に乗るときにヘルメットをかぶることがよい乗り方であるということです。頭の損傷の85パーセントがヘルメットをかぶれば避けられました。

Fahrrad_e
市街地での交通事故で多い「低速状態の自動車との衝突」時、よい品質の自転車リヤカーに乗っている場合、自転車走行中に子供がケガをする危険度(の検証)。

Foto: Allianz Versicherungs-AG
(写真:アリアンツ保険会社)


評価の後、この実験に基づき自転車リヤカーの衝突安全性(パッシブセーフティ)を最適化する提案を作成しました。この中には、フレームが付いたしっかりした床構造体であること、そのフレームは標準的な乗用車のバンパー高にあわせられたもので、また転覆時の保護機能を有すること。低重心(自転車の連結点よりも低い)、可能な限り車輪幅が広いこと、ネガティブキャンバー(Radsturzラートシュトゥルツ:ちゃま注:車輪の上側を内側へ倒した状態にすること:カーブ旋回時に外側に倒れにくくなる)、車輪に手などをはさむこと(Radeingriff)に対する保護、StVZO道路交通令に合致した明かりなどを含むようにしました。自転車とリヤカーをつなぐ連結器は後輪車軸付近へ取付され、横方向への押し引きいずれにも対応できるものが適切です。自動車のドライバーから自転車リヤカーが認識できるようにする方策(たとえば、色付きの旗を掲げるなど)が必須です。さらに、子供一人に安全ベルト一組を装備する。サスペンダータイプ(Hosenträgergurt)で、子供自身でははずすことができないものが望まれます。

理想的な自転車リヤカー 出展:AZT Fahrrad_f
右側列、上から下に

Stabiler Uberrollkafig しっかりした転覆保護仕様

Stoßfeste Materialien 衝撃に強い素材

Beleuchtung nach STVZO 道路交通令に合致したライト

Gute optische Erkennbarkeit 被視認性がよい

Niedriger Schwerpunkt 低い重心


下側列、左から右へ
Stabile Fahrradkupplung 安定した自転車連結器
Schutz gegen Radeingriff 車輪に手をはさまない保護(車輪ガード)
Negativer Radsturz ネガティブキャンバー(上が内に下が外に傾きをつけたやや斜めにつける車輪のつけ方)
Grosse Spurweite 車輪幅(トレッド)は広く 
Hosentragergurte fur jedes Kind 子供一人につき一つのサスペンダー型安全ベルト


以上がアリアンツの1996年の検証です。




AZTの『安全性の研究』〔Sicherheitsforschung〕と題されたページには、上記画像を含めて、子供が車両(自転車、自動車など)に乗車中のクラッシュテストの画像があります。

AZTは『アリアンツ ツェントルムス フューア テクニークはアリアンツ保険の子会社です。保険業界の研究機関として、損傷の技術面からの研究や、産業的なリスク研究の分野で、国際的なリーダーとして活動しています。』と自社を紹介しています。



ドイツのバーリーBurleyが安全性を紹介するページで
AZTへのリンクを掲載している場所はこちらです。
まだダウンロードページでは、自社製品のカタログと一緒にアリアンツのこの調査を広く配布しています。





イギリスのインラインスケートのサイト「ロンドンスケーターズ」が掲載している チャイルドバイシクルトレーラー(自転車リヤカー)の安全についての話です。なぜインラインスケートのサイトなのかというと、著者がサイクリングが好きだからサイクリングのコーナーを開始したとのことです。ところで、単に「スケート」というとインラインスケートのことが最初に来るようです。これはドイツでも同じようです。区別するときにインラインスケート、アイススケートと使い分けているようです。ブランド名が一般名称となったローラーブレードも時に使われています。ところで、ベビーカーやジョガーに変える事ができる自転車リアカーはもちろんジョガーモードでスケートしながら使われています。これは自転車が日常の足ではなくスポーツ目的のアメリカだけかと思っていましたが、ドイツなどでも普通に子供を載せてスケート(インライン)しているようですよ。


Child bicycle trailers - safety
子供自転車リヤカー ~ 安全性

原文へのリンク
ロンドンスケーターズ
(英語)
チャイルドシート、トレーラーそれぞれにのせて息子を運んでいますが、時々この問題について考えます。インターネットでたくさん議論が交わされていますが、それによれば、経験豊富なライダーはチャイルドトレーラーは子供を連れて行く最も安全なやりかたの一つだと思っていらっしゃるようです。子供がトレーラーの内部に保護されて置かれているというだけではなくて、自動車の運転手も、普通に自転車を抜かすときよりもトレーラーを牽いている自転車なら、よりゆっくり、よりはなれて、通り抜けているということです。

以下はドイツでおこなわれた子供リヤカー(原文ではドイツのキンダーアンヘンガーをチャイルドトレーラーと紹介しています)の安全検査の訳です。

トレーラー内の子供は特に安全

自動車業界に近い組織は人を運ぶ自転車リヤカーに対して非難を浴びせています。”明るい色のセダン”(ちゃま注:セダンは人を運んだ箱のことで自転車リヤカーのことを指しています)が以前にもまして好まれるようになり、(ファーストカーとまではいかずとも、)セカンドカーを置き換えるようになってきたからです。”硬い飛び道具”(ちゃま注:自動車のことです)は次第に非難されるようになったため、子供を運ぶ用途としても、環境によいものに変わってきています。

デクラとブルーダーヒルフェではリヤカーに自動車がスピードをだして衝突した場合死に至ると報告しています。特にクランプルゾーン〔衝撃吸収部〕がない自動車はだれにとっても危険であり、この点は自動車業界の圧力団体にも(広く公開されてはいませんが)十分知られていることです。

昨年、初めてAZTアリアンツ技術センターが子供リヤカーおよび従来型子供シートでの潜在的な危険度を比較した。27の衝突実験で明らかになったことは、リヤカーに座っている子供は、自転車に座っている子供よりも安全であるということだった。AZTのCEO/博士であるディーターアンゼルムが1996年3月21日ミュンヘンでの結果を明らかにしてくれた。彼はこれを「驚くほどいい結果」と記述している。

トレーラー内の子供は、とくに、脆弱に見える。自動車のバンパーの高さに位置しているため。しかし、詳細に見てみると、このことは衝突時に命を救うことになる。自動車はトレーラーを真正面から突いてくるためである。一方、自転車に乗っている人は、”馬に高々と乗っている状態”で、自動車の上部に最初に投げ出され、その後道に放り出された。子供をハンドル付近に載せている場合特に危険である。サドルの後ろに載せている場合でも、衝突であっさりと頭から落ちる。

リヤカーでは自転車からのようには簡単に落ちることがない。たとえそうなったときでも、落差は明らかにより小さくまたけがの度合いも明らかに低い。子供シートの場合、自転車が惹かれれば事故となるが、車軸の高さにつながれたリヤカーの場合、牽いている自転車が倒れてもリヤカーはなんともなかった。

AZTではしっかりしたリヤカー構造が重要であることを強調している。乗車する全員がハーネスベルトをしめてヘルメットをかぶれば、子供は自動車のバンパーに触れることがなかった。残念なことは、連結の正しいラインが失われていたこと。テストしたモデルはすべて改良されている。リヤカーの販売側および提供者は図示できない領域に移りつつある。StVO(ドイツの道路交通令)21章がリヤカーの荷物エリアに人を載せることを禁じている。この規則は直接自転車や特別な子供リヤカーに適用されるわけではないが、ここはグレーゾーンだ。AZTの見方ではこれは残念なこととしている。「自転車リヤカーメーカーは明確な法的枠組みを与えられたはずである。そのため、メーカーはさらに開発が必要となった。私たちがみたところでは、現在最も安全な子供の輸送手段であり、そのため、交通の際に子供にさらによりよい保護をする必要がある。」

ドイツ語から英語への翻訳時の注記;デクラDekraとは自動車の安全性検証をおこなうドイツの組織で、消費者のチャンピオンだと自分自身を宣伝している。私(ちゃま注:この英語の文章の筆者のことでちゃまではありません)は、この会社は自動車業界からの資金提供を受けていると考えている。ブルンダーヒルフェBruderhilfe は教会に関係を持つ保険会社。StVO はドイツの法令または規則のこと。

ステフピーター
コールトンワンダラーサイクリンググループ
毎月ゆっくりと気軽なサイクリングを南マンチェスターでおこなっている。
http://www.sandbenders.demon.co.uk/cycling/chwan.htm

原文はこちら http://www.geocities.com/RainForest/1033/9602anhaenger.html

結論

私自身は自分の子を自転車リヤカーに乗せることをまったく心配していない。何度も使っているが、もう一人子供が生まれても今後も載せるつもりでいる。これはとても実用的で、子供を安全に運べる方法で、さらに買い物にもとても役に立ち、駐車にもまったく困らない。私たちの今いる息子はもう大きくなりすぎてリヤカーには乗れず、連結自転車に乗るか、自分の自転車に乗って、私たちについてきている。


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