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Baby Jogger ベビージョガー
~レーシングストローラー社(1984-2002)
~ダイナミックブランズ社ベビージョガー部門(2003-)

アメリカ合衆国 ワシントン州ヤキマの自宅で1984年に創業。ヤッピー夫婦のシンボルとなったレーシングストローラー社。低価格コピーモデルの影響で2002年会社更生法適用。2003年に手引きゴルフカートのバッグボーイ社が落札。バッグボーイは社名変更しダイナミックブランズ社となり、傘下のベビージョガー事業部門として再編中。現拠点はバージニア州リッチモンド

ランニングストローラー社~通称ベビージョガー
1984-2002

ベビーカーでこどもと一緒にジョギング、ランニングをできるようにした製品を製造販売するため地方新聞社の記者だったフィル・バチェラー(Phil Baechler)が1984年ランニングストローラー社(Racing Stollers, Inc.)を創業しました。これは3輪ベビーカー(ストローラー)でヤッピー夫婦のシンボルとなりました。当初からしばらくの間はランニングストローラーと呼んでいましたが、1994年ごろベビージョガーとしました。1人用、2人用、3人用まであり、高価なハイエンドのストローラーとして順調なはずだったんですが、2002年10月17日(外部link)破産法チャプター11申請。社長はフィルの奥さんだったメアリー・バチェラー(Mary Baechler)で従業員は30人でした。これが現在のThe Baby Jogger Companyに引き継がれている事業のはじまりでした。

「1983年春、Yakima Herald-Republicの記者Philが最初のレーシングストローラーをつくった」「メアリーの父親が出した8000ドルで起業した。Philは記者をつづけ、メアリーが会社を切り盛りした。1986年1600台を販売して25万ドルを売上。87年は倍増を見込む。」(1987年11月Merrily they roll along - racing strollers- Nation's Business)

「Mary Baechlerが当時の夫Phil とヤキマのガレージで大型車輪をつけたカートを発明した。当初はRacing Stroller(レーシングストローラー)と名づけられ、ランナーがその購入者だった。」ビジネスウィーク 会社名はRacing Stollers, Inc.レーシングストローラー社。ここにはこんな風に書いてあります。「商品がさまざまな小売店で販売されるようになり、活動的なベビーブーマー世代が選ぶベビーカーの主流となっていった。Baby Joggerブランドを構築する上でこれら小売店の役割が大切と考えた社長のメアリーは、購入を躊躇する親を説得するために正しい使用方法を見せられるように小売店教育に力を集中した。この戦略が当たり、通称名ベビージョガー(通称名=DBA:Doing Business Asとして前面に)の売上は1994年には500万ドル、2000年には1500万ドルを超えた。」

(この頃のレーシングストローラー社のメアリーとフィルについては別ページベビージョガー 離婚、他社訴訟、自社改革に詳しくあります。)

レーシングストローラーからジョギングストローラーに商品呼称を変更したのには、より幅広い対象へ商品を訴えかけられるようと狙ってのことだと思います。ここにも、フィルが本格派ランナーで自分と自分のような立場のユーザーのためにつくっていただろうこと、メアリーは、どうやって広く多くの人に買ってもらうかを考えていただろうこと、そして会社でのメアリーの立場が強くなってきていたこと、が想像できます。

オールテラインストローラー:空気タイヤがついているベビーカーの一種。アメリカでは空気タイヤのベビーカー(ストローラー)といっても使用条件から区分されて販売されていて、走行性能から、競技志向本格派用はランニングストローラー、健康志向フィットネス派でそこそこ走る用はジョギングストローラー、そしてあまり走らないけどどんな路面でも困らない用オールテラインストローラーとなります。見た目はジョガーで、街歩きでは一般のベビーカーよりも押しやすく、(ただしジョガー全般のように取り回しはしづらい)。そして、ジョギング、ましてやランニングには使えないので、悪く言えば、「見せかけだけのジョギングストローラー」、「安物ジョガー」とも。でも、いまは売れ線で、取り回しの悪さを前輪回転機能で補うものもでてきてこれが主流。走行時には固定機能があるのが一般です。いくら固定できても直線走行機能は劣っているので「空気タイヤのベビーカー」というだけに。ただしBOBのレボリューションだけは例外といわれているようです。
ビジネスウイークの続きです。「ところが偉大なアイデアには常に付きまとう話で、世界中で模造品が作られるようになった。バチェラーのストローラーは180ドル以上の価格だったが、彼女が仕事で訪れたオランダアムステルダムのショップで30もの別々会社のオールテラインストローラーという競合商品を見てびっくりしたということだ。これでバチェラーがネットでの販売を開始したところ、こんどは逆にいままでの小売店からなんてことだとお叱りをうけることになった。ネットシステムにかなりの投資をしたがネット販売は半減させることになった。小売店がBaby Joggerをここまで育ててくれたからということだった。」

このビジネスウィークの情報は倒産前の2001年。ベビージョガー社の記述にもどります。

Bagboydynamiclogo

ダイナミックブランズ社事業会社ベビージョガー社
2003~

2003年、プッシュプルカートと呼ばれるゴルフバックを載せるカートの代表的メーカーThe Bag Boy Companyが買収し、会社名はThe Baby Jogger Companyとなりました。経営はBag Boy経営陣がおこなうようになります。Bag Boy社は1945年オレゴンポートランド創業、1993年にAMFインダストリーが買収し現バージニアリッチモンドに移転、1997年にMBOで独立した会社だそうです。そしてレーシングストローラー社買収。翌年の2004年には"Dynamic Brands, Llc"と会社名を変更。The Bag Boy Companyは通称名(DBA)としました。そして傘下の各ブランド、Bag Boy、AMF、Baby JoggerをダイナミックブランズDynamic Brandsというアンブレラブランド名の下(もと)に入れて展開を開始(上のロゴ)。2006年になって自転車リヤカー(BIKE TRAILERS)に参入。Bag Boyバッグボーイのゴルフバッグがゴルフダイジェストのネットショップで販売されているようです。

2006年から子供載せ自転車リヤカーを販売開始しました。

BabyjoggerBabyjoggertailwind

  • Switchback Hybrid (トレーラー/ジョガー)
  • Tailwind (トレーラー)
2010年代の3輪ベビーカーを自転車リヤカーにもできる TfKのJoggster IIIがあります。けれど、けっしておすすめはしません。普通の自転車リヤカーにしたほうがいいとおもいます。
2006年からの子供載せは創業者フィルとはまったく関係ありませんが、フィルも1995年ごろから、ジョガーを自転車につなげられるようにしています。自転車リヤカーがジョガーになるのではなくて、ジョガーを自転車リヤカーとするもので、一人乗りだけのようです。
詳しくはリンク先を。

Baby Jogger ベビージョガー 1995



ベビージョガー社の記述に社をブランドに育てたメアリーの話が載っていなくて、元夫のフィルを創業者として記述しているのはなぜでしょう。メアリーはキッチンテーブルで会社経営、フィルがガレージで組立てということからはじまったそうですから、技術的にはフィルなんでしょうが、新経営陣のブランドの歴史に対する意図を感じます。購入時に2社がbidに参加したそうですから、メアリーに値段を吊り上げられた悪い思い出でもあるのでしょうか?


フィルは、2001年の情報ではツーソンマラソンに参加していたりします。この情報では、「Baby Joggerをデザインした著名なRacing Strollers, Inc.の創業者」と書かれています。フィルはベビーストローラーのフレームに関する意匠特許を1986年4月に出願し1988年の9月に取得していますし、他に1996年にはフレームでも意匠特許を2件取得しています。また、1993年9月にはティモシー・アームストロングさんとの共同で足ブレーキの実用特許を出願して1995年10月に取得しています。さらに1995年にはジョガーとトレーラーを変換できる特許も出願して1997年に取得していますが、これはシートポストに取り付けるものでした。トレーラーはだしていたのでしょうか?ほかにもいろいろ取得しています。


日本では

Google などを見ると、ジョガーはそれなりに日本に輸入されていますね。ジョガーとして、日本ではキムタクあたりから人気になったのでしょうか。この頃、よくベビージョガータイプの3輪ベビーカーをよく見かけます。

ストローラー(Stroller)なら日本のいわゆるベビーカーレベルの機能ですが、ジョガーともなると、耐久性やら運動性能(というのか)やらの機能要求されるので、これは、そのまま自転車のトレーラーと同じ機能となるでしょう。その点で、いままで自転車トレーラーに参入していなかったベビージョガー社は、バーリー社など他のバイクトレーラーモデルのコンバージョンキットによる参入にさらされていたわけですね。2006年からのバイクトレーラー参入開始はコンペティターとの同等機能での戦いという観点からは遅かったともいえますね。これは2004年からの新経営陣による決定でしょうけれども、このため日本への輸入が滞っているところがあるようで、これは、米国内の販売網もゆれているということなのでしょう。もっともハイエンド分野への参入というのは、低価格では米国製造では企業経営として太刀打ちできないという破産前の状況になることを避けるためには仕方のない選択なのでしょうね。これはチャリオットなどハンドメイドで自国生産を謳っているのとおなじなのでしょう。

まあ、ともかくも、自転車用のトレーラーとしては、おこちゃまむけ古参ブランドが新規参入してきているという情報でございます。

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